デザイン分野の図式化
バウハウスが述べるところの工芸(以後、インダストリアルデザインと呼称します)の視点から、多岐にわたるデザイン分野を図式化して見ましょう。
インダストリアルデザインは、人間と自然を仲立ちとした道具系、人間と社会の間の伝達系、そして自然と社会を媒介とした環境系から成り立っています。そして、これらで構成される円環内には、時計回りで表記すると、
- Computer Graphics
- Packaging Design
- Graphic Design
- Environmental Graphics
- Display Design
- Environmental Design
- Interior Design
- Product Design
- Product Graphics
の9つのデザイン分野が存在します。
インダストリアルデザインの視点からのデザイン分野の図式化
(出典:インダストリアルデザイン その科学と文化,森典彦編,朝倉書店)
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環境デザインの位置づけとデザイン領域
デザイン分野の図式化の中から、環境デザインを位置づけてみましょう。
環境デザインは、自然と社会を媒介とした環境系のなかの Environmenntal Design に位置しています。 したがって、主たるデザイン領域は以下の赤で着色した領域となります。しかし、人間、社会、自然は密接に関係し、その仲立ちである伝達系、環境系、道具系も切り離せるものではありません。ですから、この図のすべての領域が環境デザインには何らかの関わりを持っているものと考えられます。
このサイトにおける環境デザインの定義
前のページで、このサイトにおけるデザインの定義づけは「デザインとは、あるものを対象に、それに求められる様々な要件を解決し、理想のかたちへと導く行為である」とすることとしました。
環境デザインの位置づけとデザイン領域を整理しましたので、あらためて、当サイトのテーマである環境デザインを次のように定義します。
「環境デザインとは、人が生活する環境に関わるものを対象に、それに求められる様々な要件を解決し、理想のかたちへと導く行為である」
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環境デザインの具体的な対象物
環境デザインのデザイン領域における具体的な対象物は、代表的なものを取り上げると以下のものなどが考えられます。おおむね、これらは建設業界の中では土木、建築、造園などに含まれる領域です。
1.広場・公園のデザイン
2.道のデザイン
3.橋のデザイン
4.水辺のデザイン
5.公共交通のデザイン
6.まちのデザイン
これらの6つの対象物は、環境の中のひとつとして捉えれば、環境デザインの中に内包されるべきものかもしれません。しかし、すでにそれぞれがひとつのデザイン分野としての立場を確立していますので、ここでは環境デザインに大きく関係のある対象物と考えることとします。
基本的に、
環境デザインの具体的な対象物1〜5は主として公共事業としてつくられ、対象物7は公共事業と民間事業の両方でつくられます。これらのものづくりにおいて、近年では作り手だけでなく、それらの使い手である住民の方々との協働で取り組むことが増えてきました。したがって、1〜7のすべての対象物関わることとして、以下のデザインも対象物として含めることとします。
7.住民参加のデザイン
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