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道のデザインとは道のデザインを行う上で、知っていてほしい基礎的な知識を「管内道路空間整備ガイドライン(案)」という文献の中からご紹介します。
道のデザインの思想 1.道路空間づくりのための思想 道路空間設計を行うにあたっては、道路をデザインする上での思想を理解した
上で、道路の性格や位置づけ等から設定される整備水準を満たし、経済バラン
スを図ることのできる範囲内での計画案とする必要があります。 @地域との調和:道路がその地域の体験の基本的空間である以上、その存在
は地域の環境に調和し、地域の特性を反映したものである必要があります。そ
のためには、以下が重要となります。 A利用者の快適性:道路は人間のために作られます。その利用者の快適性を追及するためには、以下が重要となります。 B 姿形の洗練:美しい道路づくりのために勘案すべきもろもろの要件を実
現するためには、最終的な空間や構造物の姿形のあり様が鍵となります。それには、以下が欠かせません。 これらの思想を踏まえた上で、道路設計に求められる右の5つの要件に配慮することが必要です。これらの要件は他の要件と密接に関係しているため、それぞれを単一的に考えるのではなく、複合的な視野で5つの要件を満たす最適解を導き出すことが重要です。
2.道路空間設計の考え方 道路空間設計を進めて行く上で、以下の3項目を整理する必要があります。 @道路空間整備の位置づけの明確化
一般に適用される考え方はa)、b)であり、c)の考え方は都市の顔となるような目抜き通りや、景勝地の道路といった道路空間整備の必要性の高い地域に適用されるものです。そのような地域は、積極的な空間の創出を図ることが望まれるとともに、空間整備にあたっては慎重な配慮を必要とする地域でもあります。 A整備方針の設定 B道路の性格の把握
3.道路空間設計を行う上での原則 道路空間設計を行うにあたっては、以下に示す6つの原則を念頭に進めていくことが望まれます。 @道路の性格に応じた計画・設計を行います。 A道路利用者及び地域住民に親しまれるデザインを行います。 Bバランスのとれたものとします。 C適度の「統一性」と「めりはり」をつけます。 D時間とともに空間が良くなるようにします。 Eユニバーサルデザイン、バリアフリーに配慮した総合的な道路空間づくりに努めます。
4.景観法等との整合 道路の空間設計を行うにあたっては、地域の空間形成に関する方針との調和が不可欠であり、景観に関連する行政を担当する地方公共団体と連携することが極めて重要です。特に、景観法については、地方公共団体(景観行政団体)において景観計画が策定されている場合には、関係部局と十分な情報交換を行い、必要に応じて景観重要公共施設(景観重要道路)の指定を要請することが望まれます。
道路景観の概念 1.道路景観のなりたち 「景観」は、人が風景を見て、その存在を意識することによって成立するものであり、@眺める主体(視点)とA眺められる事物(対象)から成り立つものです。
2.道路景観の特徴 道路景観の大きな特徴は、次の2点です。 @道路内・外に視点があり、その位置の違いによって景観が異なります。 A道路内の視点は移動することから、視点の位置と移動速度により、それぞれ景観が異なります 視点の特性から道路景観は以下のように区分される。
3.道路景観の構成要素 道路景観を構成するものとして、道路そのものである「道路要素」のほか、「沿道要素」、「遠景要素」の要素があります。 @「道路要素」 :一般に道路管理者が直接整備の対象として扱うことができる道路本体や、附属施設、占有物等があります。 A「沿道要素」:一般に道路管理者が直接関与する範囲のものでなく、住宅や工場、看板類等といった沿道施設や田畑、林等、沿道土地利用に準じるものです。 B「遠景要素」:山や河川、塔等道路から比較的遠くに位置し、直接的に整備の対象となることはないものであり、一般に与条件として捉えられるものです。 道路景観を構成する要素には、以下に示すようなものがあります(景観構成要素の分類は「街路の景観設計(土木学会)」による分類を基本とし、赤字部分は「道路のデザイン 第5章 設計・施工時のデザイン」をもとに加筆)。
道のデザインについて、道路空間づくりと道路景観形成という2つの視点でご紹介しました。 デザインする対象物道のデザインにおいて、デザインする対象物を、道の利用形態に着目して大まかに整理すると、以下のようになります。そして、それぞれの分類の道には前述した道路要素(道路本体、道路植栽、道路付属物など)や沿道要素などが存在し、それらの個々の要素もデザインの対象物となります。
デザイン活動の場道のデザインにおけるデザイン活動の場は、道路に関わる行政、道路計画・設計者、道を得意とするデザイナーなどが中心となります。代表的なデザイン活動の場をいくつか挙げてみましょう。
など。 |
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